立志挑戦塾からOB·OG 会の設立へ
立志挑戦塾が10年続けば青森が変わる

2008年、青森県の「あおもりを愛する人づくり戦略」をもとに「あおもり立志挑戦塾」がスタートした。野田一夫塾長(当時)による募集チラシのコメントが印象的である。「重要なことは、青森の将来のために何を、どう貢献するかだ。もちろん私自身すでに、そのことが頭から離れない。真に青森を愛する気鋭の諸君が一人でも多く本塾を志願されることを、心から期待したい」あわせて「塾が10年続けば青森が変わる」と語っている。
当時の塾は、現在と同じく1年間で計6回の宿泊形式で行われていた。塾の会場は全て浅虫湿泉にある帰帆荘で予定されていたが、塾生から「あおもりのことをもっと知りたい」という要望で、途中から県内各地で開催するように変更された。募集当初、三村申吾青森県知事への成果報告会は予定にはなかったが、野田塾長からの提案で実現した。当時の立志塾県担当者が「まさに手探り状態だった。まとめようとはせず塾生の主体性にまかせていた」と言っているように、立志挑戦塾の開催、そして運営そのものがあおもりを愛する人づくりへの挑戦だったといえよう。
知らなかったということを知ることが出来た
これは、1期生が6回の塾を通じて講師から、塾長から、同期との対話からたくさんのことを学び、成果報告会で三村知事に報告した言葉である。この成果報告会へ至るまでに、数々の熱い議論を交わしあった1期生の中から、自然と「この仲間とのつながりを続けていきたい」、それを継続していくために「組織化が必要である」という声が上がっていたのである。
そして、2009年2月13日に開催された知事成果報告会において、1期生が卒塾後の活動として発表したのが、あおもり立志挑戦塾のOB・OG会の設立だった。知事成果報告会と同日、別会場にて開催されたOB・OG会の創立総会により、「あおもり立志挑戦の会ARC」はその活動の産声をあげ、あおもり立志挑戦塾とともにあおもりを愛する人づくりへ挑戦していくこととなる。
創立趣旨書
- 本会は、会員それぞれが、ふるさとあおもりを深く知り、ふるさとあおもりを思い、あおもりを元気にする人材を増やす。
- 会員が各地にて、この会のネットワークを活用し、経済や地域づくりにリーダーシップを発揮する。
- あおもりを離れても、ふるさとあおもりを思い、ふるさとあおもりを語り、そしてあおもりファンを増やしていく。
創立趣意書は、ふるさとあおもりに対する愛が溢れている。そして本会のあり方をシンプルに表現している。当会の会員が、会員相互に切磋琢磨しながら、ふるさとあおもりを牽引していく。その趣旨に賛同する卒塾生によりARCはスタートした。
ARC の軌跡

会としての成長
あおもり立志挑戦の会ARCに入会した会員は、多種多様な活動を行っている。地域で、職場で、家庭で、そしてARCで。
天明茂第二代塾長が「上が変われば下が変わる。自分が変われば相手が変わる。家庭が変われば職場が変わる」と説いているように、ARCメンバーは、まずは自分から積極的に行動することで職場や地域でリーダーシップを発揮している。
そのような会員が集うARCは、発足から毎年会員が増えていき、会の活動もそれに合わせて拡充していった。会員は青森県内に広く分散していることから、会の設立当初から地区会を設置して、それぞれの地区における交流が図れるようになっている。当初は青森、津軽、南部の3地区からスタートし、現在は、まさかり(下北)地区を追加した4地区で活動している。
そして、もっとも重要な事業は、あおもり立志挑戦塾のサポートである。2期生から11期生に至るまで、塾のファシリテーターや運営、講師の派遣など、青森県の担当者と二人三脚で塾をサポートしている。この塾のサポート事業は、ARC活動の柱であるとともに、立志挑戦塾卒業後も、現役生と一緒になって学ぶことができる貴重な機会にもなっている。
これからの10年

10年の節目を迎えたARC。しかし、大切なのはこれからの10年である。
「塾を通じて育ちあい、皆それぞれに輝き続ける」
「自分の子供を入れたいコミュニティになっていること」
「あおもりの可能性のドアを開ける人たち。そんな人たちが集う会」
「ふるさとに恩返しの倍返し、してる? ?あおもりNEW GENERATION あおもりから東北を、東北から日本を元気に!」
「ARCの蒔いた種が花開きまた種となり花開く」
「熱狂青森の芯となる未来へつなげ立志挑戦」
これらは、10周年記念事業実行委員会において、それぞれが考えたARCの10年後のあるべき姿であり、これらのなかで共通していることは「継続」ということだ。
立志を立ち上げた三村申吾知事の想いに感謝します。
立志を立ち上げ「志」を植え付けてくださった野田一夫名誉塾長に感謝します。
立志を受け継ぎ「人間力の大切さ」を教えていただいた天明茂第2代塾長に感謝します。
立志を支え我々を見守っていただいた青森県、青森公立大学の関係者の方々に感謝します。
ARCはこれからの10年、設立の想いを忘れずに、会の継続、そして母体となる「あおもり立志挑戦塾」のサポートを継続し、これからも青森へ貢献していく。


